Collection

PUNK ROCK好き小峠英二が「納得した」 甲本ヒロトの痺れる名言とは?

日本で最も愛されたロックンロール・ギタリストの素顔と功績を貴重な証言で綴る傑作ドキュメンタリー映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』の公開記念イベントが8月8日に都内で行われ、PUNK ROCK好きで知られる小峠英二(バイきんぐ)と監督の寺井到がトークを繰り広げた。

劇中では土屋昌巳、浅井健一、甲本ヒロト、松重豊ら著名人が鮎川誠さんについて語る。小峠は甲本の言う「鮎川さんとシーナが死んだことは大したことじゃない。“いた”ってことがすごいんだ」という言葉に痺れたといい「確かにお亡くなりにはなった。でもあれだけカッコいい音源やライブを生んだこと自体が凄いことだと。僕もその言葉には納得しました」としみじみ。

一方、寺井監督も甲本のその言葉が本作の方向性を決定づけたと言い「追悼作品のようになるのは嫌だったので、あの言葉があって作品の方向性が定まった気がする。縁の人たちが語る鮎川さんのエピソードを集めれば、鮎川さんの人となりがわかると思った」とインスピレーションを刺激されていた。

2023年1月29日に74歳でこの世を去った鮎川さん。本作は1987年に“シーナ&ロケッツ”を結成して以来、最後まで現役のロックミュージシャンとしてステージに立ち続けた彼の素顔に迫ったドキュメンタリーだ。今年3月のTBSドキュメンタリー映画祭において上映された、『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』をベースに、縁の深い人物へのインタビューやプライベート映像、貴重な音源などを加え再編集。シーナ&ロケッツのファンでもある俳優・松重豊が新たにナレーションを担当した。

鮎川さんと同郷の福岡県出身であり、鮎川さんが亡くなる前の最後のシーナ&ロケッツのライブを観戦したという小峠。ライブで買ったという“シーナ&ロケッツ”シャツを着て登壇した。普段はコウテイペンギンのドキュメンタリーしか見ないというも、本作に関しては「今まで見たことのないようなものすごくプライベートなところも流れる。皆さんもきっと楽しめるはず」と太鼓判。この好反応に寺井監督も「鮎川さんの話であると同時に、家族の話でもある。鮎川さんの優しい人となりを知ってもらえるのは嬉しい」と喜んだ。

福岡時代に『レモンティー』を聴いたのがシーナ&ロケッツとの出会いという小峠は「曲がカッコいいから入って、ライブも何度も観ました。鮎川さんはギターを弾いているときは鬼気迫っているけれど、MCになると温かい人間味が出て、この人いい人だと思った。そのギャップが素晴らしい」と鮎川さんの魅力を分析。寺井監督も「ONとOFFがない人で、喋りにそれが出る。ステージ上でもそれ以外でもそのまま。こんなに一貫してブレないのかと驚かされました」と鮎川さんの飾らない人柄に触れていた。

また小峠は、本作を通して“シーナ&ロケッツ”の楽曲の中にある魅力を再発見したようで「鮎川さんは家族愛にあふれた方で、それが曲にも投影されている。速くて尖っていた曲であったとしても、伝わり方がマイルドでトゲの先端は実は丸い。それは鮎川さんの温かい人間味があるから。そのハートの部分が、悪いだけのロックではない曲を作ったのだと思う」と分析した。

RELATED

PAGE TOP