文化の百花繚乱の様相を呈した大正から昭和初期を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描いた『ゆきてかへらぬ』(2月21日公開)。その完成披露試写会が1月30日に都内映画館で実施され、主演の広瀬すず、共演の木戸大聖、岡田将生、そして根岸吉太郎監督が登壇した。
まだ芽の出ない新進女優・長谷川泰子を演じた広瀬。艶やかな和服姿で、満員御礼での念願の完成報告に「撮影が2年前でオファーをいただいたのはもっともっと前なので、やっとこの日が来たことに感動しています」と笑顔を浮かべた。
脚本は『ツィゴイネルワイゼン』『セーラー服と機関銃』で知られる名匠・田中陽造が40年以上前に書いたもの。広瀬は「今この時代に生きている我々がどのような解釈でこの世界に入っていくのかは、ある意味でチャレンジ。セリフの言い回し、男女の関係性、距離感すべてが新鮮。感じたものを大切に演じる現場だったので、ビシビシと静かにみんなから伝わる熱量が心地よい現場でした」と回想した。しかし3人が演じたキャラクターの関係性は熾烈だったようで「物凄く激しいので疲れました。一周回って潔く気持ちのいい役だったけれど、毎日何かを削りながら生きている役なので、皆さんにも映画を観ていただければ伝わるのではないかと思います」とヘヴィな役柄だったと紹介した。
泰子と惹かれ合い、共に暮らす天才詩人・中原中也役の木戸は「今も支持されている中原中也を演じられるのは相当なプレッシャー」と心境を吐露し「泰子との芝居に関してはフィジカルなぶつかり合いだったので、プロレスでもやっているかのよう…。根岸監督もカットをかけないので、体力的にも勝負の役でした」と苦笑い。
これに広瀬も「アクションをやっているようで、何の映画を撮っているんだ!?と思った」と激しさを物語っていた。
中也の友人であり、やがて泰子と恋仲となる文芸評論家・小林秀雄役の岡田。役作りのために資料を読み込んだそうで「小林さんの文章からは色気が溢れていたので、自分が演じるにあたり、ワンカットでもその色気が出てくれていたら良いなと思いながらやっている感じがありました」とこだわりを明かすと、広瀬は「あったよ!」と即答。しかし岡田はその早過ぎる反応に「ちょっと待って!言わされていないか?」と疑っていた。
本作の内容にちなんで「出逢ってしまった…!」と思うほど深くハマってしまった「ヒト・モノ・こと」を発表。広瀬は「ブリしゃぶ。こんなに美味しい食べ物がこの世にあるんだと感動!」とニッコリで、木戸は「今さらかもしれないけれど…生姜焼き!」とこちらも美味しそうなグルメをピックアップ。するとラストの岡田は「最近新しい事にチャレンジしようと思っていて…。でもこれは最後に言う事じゃないかもしれない」と前置きしつつ「私、水を飲むことにハマっています。嘘だと思うかもしれないけれど1日2リットル飲むと決めています」と発表。
すかさず広瀬が「何を言っているのかわからないです」と鋭くツッコむと、岡田は「出会ったんだよ、水に!水を飲む良さに気づいてから、体が軽くなって元気になって明るくなっている。最近の岡田将生は元気なんです!それは水のお陰です!」とひたすら訴えていた。