今年も7月に入り、暑い日が増えてくる季節になりました。気温が35℃以上となる猛暑日も珍しくなくなり、屋外で働く人にとって暑さ対策は欠かせないものになっています。とくに屋外で働く警備員の方々にとって、暑さは毎年避けて通れない大きな課題です。
そんななか、警備業界に特化した労務管理システム「プロキャス警備」が、全国の現役警備員253名を対象に「現役警備員の熱中症対策調査 2026」を実施しました。調査では、熱中症になった、またはなりかけた経験がある人は50.2%となり、前年の75.5%から25.3ポイント改善したことがわかりました。
一方で、夏場の警備現場で困っていることとして最も多かったのは「暑さそのもの」で61.7%。熱中症経験は減っているものの、現場で感じる暑さの負担はまだまだ大きいようです。
本記事では、調査結果をもとに、警備現場の暑さ対策や、働く人が安心して過ごせる環境づくりについて紹介します。
熱中症経験は前年比25.3ポイント改善

今回の調査では、現役警備員の50.2%が「熱中症になった、またはなりかけた経験がある」と回答しました。前年調査では75.5%だったため、25.3ポイント改善したことになります。

企業が実施している熱中症対策としては、「水分補給の声掛け」が54.5%、「塩タブレット等の配布」が54.2%と、日常的に取り入れやすい対策が上位に。そのほか、「定期的な休憩時間の確保」が42.3%、「ファン付き作業着の支給」が39.9%となりました。
前年と比べると、「塩タブレット等の配布」は39.7%から54.2%へ増加。「ファン付き作業着の支給」も33.6%から39.9%へ増えています。水分や塩分の補給、休憩の確保、装備の支給など、会社側の対策は少しずつ広がっているようです。
ただし、改善しているとはいえ、現役警備員の約2人に1人が熱中症またはその寸前を経験している状況です。屋外で長時間働く現場では、引き続き暑さへの備えが欠かせません。
それでも「暑さそのもの」が一番の課題に
一方で、熱中症経験が減ったからといって、現場の暑さが軽くなったわけではなさそうです。

夏場の警備現場で困っていることを聞いたところ、最も多かったのは「暑さそのもの」で61.7%でした。前年調査では35.9%だったため、25.8ポイント増加しています。また、「作業時間の長さ」も32.8%から38.3%へ上昇しました。
一方で、「飲料の確保」「休憩スペースの不足」「休憩時間の不足」といった項目は、前年と同水準、またはわずかに改善していました。つまり、水分補給や休憩といった基本的な対策は進んでいるものの、炎天下で働く身体的な負担そのものは、まだ大きな課題として残っていると考えられます。
さらに新たな課題として「ヘルメットや防具による暑さ・不快感」が45.1%、「警備服の通気性」が43.9%、「現場の急な欠員や人手不足による負担」が40.3%となりました。
暑さ対策は、飲み物や休憩だけでは解決しきれないもの。身につける装備や服装、現場の人員体制まで含めて考える必要がありそうです。
欲しい対策グッズにも変化が
では、現場で働く警備員の方々は、どんな暑さ対策を求めているのでしょうか。

支給してほしい熱中症対策グッズを聞いたところ、最も多かったのは「スポーツドリンク」で47.4%でした。続いて、「ファン付き作業着」が46.2%、「冷感インナー」が43.5%となっています。
前年調査では、「冷感スプレー」「冷却シート」「クールネックリング」など、身体を一時的に冷やすグッズへのニーズが目立っていましたが2026年調査では、ファン付き作業着や冷感インナーのように、勤務中の暑さを継続的に軽減できる装備への関心が高まっているようです。
「暑くなったら冷やす」だけでなく、「そもそも暑さを感じにくい環境をつくる」。そんな考え方が、現場でも広がっているのかもしれません。
熱中症対策をしている会社は「魅力的」
今回の調査では、熱中症対策に積極的に取り組む警備会社についても聞いています。

その結果、「非常に魅力的に感じる」が34.4%、「やや魅力的に感じる」が36.0%となり、合わせて70.4%が魅力的だと回答しました。
夏場の屋外勤務では、暑さへの不安を感じる人も少なくありません。水分補給の声掛けや休憩の確保、装備の支給、体調確認、緊急時の連絡体制などが整っている会社は、働く人を大切にしている会社として受け止められやすいのではないでしょうか。反対に、暑さ対策が現場任せになっている場合、働く人の不安や負担につながることも考えられます。
警備員に限らず、屋外で働く仕事では、暑さ対策が働きやすさや安心感に直結します。これからは給与や勤務条件だけでなく、「安全に働ける環境が整っているか」も、仕事や会社を選ぶうえで大切な視点になりそうです。
大切なのは、現場で無理なく続けられる対策
今回のプロキャス警備調べでは、現役警備員の熱中症経験または寸前経験が前年から25.3ポイント改善していることがわかりました。
一方で、約6割が「暑さそのもの」に課題を感じており、ヘルメットや防具による暑さ、警備服の通気性、作業時間の長さなど、現場ならではの悩みも見えています。暑さ対策は、水分補給や塩分補給だけで終わるものではありません。装備、服装、休憩、人員配置、そして体調の変化に気づける仕組みまで、働く環境全体で考えることが大切です。
この夏も、屋外で働く人たちが少しでも安心して働けるように。
こまめな水分補給や休憩、体調の変化に気づく声かけを意識してみてはいかがでしょうか。
※この記事は、プロキャス警備調べ「現役警備員の熱中症対策調査 2026」(2026年7月1日)の結果をもとに執筆しています。
▶調査概要
【調査方法】インターネット調査
【調査地域】全国
【調査対象】現役警備員20代以上の男女
【サンプル数】253人
【調査期間】2026年5月20日〜5月25日
【調査主体】プロキャス警備調べ
〖ニュースネクスト編集部〗