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美しすぎて涙…「神社と守護者」の超精巧ジオラマが海外からも絶賛の嵐

8カ月の制作期間の末に作られた荘厳な景色のジオラマが「超美麗」だと国内外の人たちから称賛を浴び、ネット上で話題を呼んでいます。

話題となっているのは、水辺の生物をテーマにしたレジンアートやジオラマなどを制作し、作業の過程をYouTubeで公開している「たらそほびや」さんの作品。8月にX(旧Twitter)で写真が公開されると、軽く1万件を超える「いいね」が寄せられ、制作過程を収めたYouTube動画も前後編で計50万回再生を突破しています。

作品は木々に囲まれた水辺の神社と、水中にいる「守護者」の姿を限りなくリアルに表現したもの。春夏秋冬の季節別に4つのパターンが制作され、景色の移り変わりや守護者の躍動的な姿は息をのむほどの美しさです。

これに対し、ネット上では「すごすぎて言葉が出ない…間近で、気が済むまで見てたいくらい素敵!」「凄い!凄いですよ!感動で泣いてしまいました!」「守護神のヒレがまるで生きているみたい」などと絶賛コメントが殺到。さらに、YouTubeのコメント欄では海外ユーザーから「細部までこだわりを持って作られていて尊敬します」「どうやってこんなに生き生きとさせることができるのか、驚きを感じています」といった賛辞が大量に寄せられています。

作品を制作した「たらそほびや」さんに、SNSで話題になっていることに対して感想を聞きました。

「SNSで話題になった…という自覚はそんなにないですが、8か月かけて作ったジオラマを、フォロワーの皆さまに見ていただけたことをとても嬉しく思っています。わたしのYouTubeチャンネルの視聴者さまは、9割が海外のかたです。でもツイッター(現X)では日本人の視聴者さま含め、さまざまな国のかたが動画の感想をコメントして下さるので、とても大きなモチベーションになっています」

今回のジオラマを作成するに至った経緯については、このように語ってくれました。

「今回の神社のジオラマは、3年ほど前に作った『忘却の社と守護者のジオラマ』という作品のリメイク版です。前に作ったものも当時はそれなりに話題にはなったのですが、今見ると技術的に未熟な部分が多く、いつかリメイクしたいとずっと思っていました。わたしには過去作品をリメイクしがち、という変なクセがあります(笑)。どうせリメイクするのなら、ひとつだけでは面白くないので、春夏秋冬あわせて4種類作ってみようと思いつきました。でもこのアイデアは、のちに自分の首を絞めることになるのですが…」

さらに制作の裏側について、このような秘話を明かしてくれました。

「今回の制作では、レジンの硬化に失敗しまして、大部分を作り直さなくてはいけないという窮地に陥りました。5か月かけて作った4作品を、4つとも作り直すという、けっこう大変な作業でした。SNSでも『失敗しました』という報告をしたのですが、たくさんのフォロワーさまから励ましのお声をいただきました。このお声がなかったらわたしは『もう無理』と制作をあきらめ、別のものを作りはじめていたかもしれません。通常は失敗した部分をぜんぶカットして、うまくいったところだけをうまく繋げて動画にします。でも今回は失敗した様子も正直にお見せして『そこからの再起』という流れを動画に盛り込んだら、ちょっと面白いのではないかと思いました。失敗の原因が『樹脂の熱暴走』という、まるで初心者のような内容でしたので、だいぶ恥ずかしくはありましたが、YouTubeのコメント欄では『あなたも失敗することがあるんだね。なんかほっとした』とか、『失敗したシーンで思わず泣いてしまった』というような、とてもありがたいコメントをいただきました。ちなみに友人からは『なんだよ、あの寸劇(茶番)は』と言われました」

作品を制作するにおいて、苦労した点についても話してくれました。

「わたしはモノづくりがとにかく好きで、作っている間は基本的にはずっと楽しいです。失敗することはありますが、それは日常茶飯事ですし、作り直す作業もまた楽しい。ですから制作の苦労というのはありません。一番つらいのは動画の編集作業です。特に今回は8か月分の動画データがありました。3テラバイトのSSDに収まりきらない量の動画データを編集するのは、本当に大変でした。どのシーンを採用してどのシーンをカットするかの細かい判断は、当然ですが私にしかできないので、外部の業者さんへ依頼するわけにもいきません。でもYouTubeで動画を配信するからには、動画の撮影や編集は作品そのものと同じくらい重要です。せっかく良い作品を作っても、撮影や編集がいまいちだと、ぜんぜん良く見えないからです。毎回作品をつくるたびに、七転八倒しながら動画を編集しています。ときどき精神を病んで、棚に置いてある人形に話しかけたりなどもしています(笑)。そのような苦労の末に出来上がった動画ですから、ぜひたくさんのかたに観ていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」

最後に、苦心して完成させたYouTube動画のテーマを語ってもらいました。

「今回の動画のテーマは『失敗からの再起』だと思います。5か月かけて作ったものが失敗に終わり、さらに3か月かけて作り直したわけです。作り直すのは確かに大変でしたが、失敗の反省点をすべて見直した結果、悪くないものが作れたと思います。今回の動画は前後編2部構成でちょっと長いのですが、わたしの8か月の紆余曲折&四苦八苦をご覧いただければ幸いです」

取材協力者:たらそほびや Thalasso hobbyer

記事執筆者:佐藤勇馬

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