自由主義研究所の主任研究員を務めている経済学者の蔵研也さんによる、来年予定されている加熱式たばこ税の増税に対する考えを、メディア向けに発表する記者説明会の第2回目が、12月11日に都内で行われました。
田中和徳自民党税制調査会副会長へ、署名を提出
蔵さんは冒頭に、加熱式たばこの増税反対活動の為に今年の5月から始めた署名活動が、12月1日現在で3万人を突破したことを報告。
「10月18日に田中先生(自民党税制調査会副会長)へお時間を作っていただいて、話をしてきました。非常に気骨のある方で、JT(日本たばこ産業株式会社)だけを守るのはおかしいとおっしゃる方です。与党の税制調査会で議論され、12月中旬に「税制改正大網」で閣議決定をされますが、例年は税制改正法案として国会に提出されて、3月にほぼそのまま法案が成立してしまうので、今回提出できたことは、これは結構重要なことであると思っています」
1本あたり約3円の増税に
蔵氏がなぜこのような活動を始めたのかというと、急速に上がるたばこ税について疑問を持ったことがきっかけだったとのこと。令和5年度税制改正大綱で防衛費の増額の為に、法人税、所得税、たばこ税の増税を複数年にかけて実施する方針になり、その際に紙巻たばこに加え、加熱式たばこも税率を引き上げることへの疑問点を説明していました。
「ウクライナで戦争が起こりましたよね、そこから台湾有事に備えたNATO基準に則って、防衛費をあげないとならないと岸田さんは考えました。そこで目を向けられたのがたばこ税です。1985年ころのたばこ税は1円です。それも現在は16円まで上がっていてさらに段階的に3円上げようという法案です。普通の紙巻きたばこよりも有害性がないために税を抑えていました。この負担の不公平性が気になります。健康の問題もあります。喫煙者は実際に全世界的にも低所得者が圧倒的です。なので税率を上げても購入傾向は若干減ると思うのです」
小さな政府として活動を続けていく
健康増進をうたうのであればハームリダクションを目指すべきと熱弁を振る場面もありました。
※ハームリダクション(Harm Reduction=被害の低減)薬物問題への新しいアプローチ
「税制以外にも話させてください。ハームリダクションなので目指すのは税を上げないという事もありますし、たばこを吸っている人は依存症…薬物依存症のようなのもあるわけで、ただ禁止をするっていうよりは、害を下げていこうというのが本質的なところです。ぼくらは小さな政府として代替案がある・選択肢があることを知ってほしいと思っています。誰でも抽象的なレベルで共鳴してもらえる人を増やしていこうと思っています」
たばこ増税に対する署名活動はすでに3万人を超える方が賛同し、現在も3万5千人を目指して署名活動が行われています。
【自由主義研究所】https://note.com/jfujimaru
【たばこ増税に反対する署名活動ページ】
https://www.change.org/p/%E5%8A%A0%E7%86%B1%E5%BC%8F%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93%E3%81%AE%E5%A2%97%E7%A8%8E%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E7%BD%B2%E5%90%8D%E8%AB%8B%E9%A1%98