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人気作品のタイトル……実は仕掛けが!?不思議すぎる「アンビグラム」の画像が話題!

文字ってなんだか不思議な存在ですよね。書く人によって個性がありながらも同じ文字だと認識できたり、そもそもよく眺めてみると造形的に変わった形をしていたり……今回ご紹介するX(旧Twitter)の投稿も、そんな文字の不思議さに思わず唸ってしまうような作品が話題になっているんです。その投稿がこちら!

「『宝石の国』回転同一型」という一言が添えられ、「アンビグラム」のハッシュタグをつけて投稿された1枚の画像。アニメ化もされた人気漫画『宝石の国』のタイトルが美しい文字で書かれているだけかと思いきや、何か様子がおかしい……?
そう、この文字、実は逆さまに回転しても同じように『宝石の国』と読めるというものなんです。ぜひみなさんもスマホなどを逆さまにして確認してみてください。思わずびっくりしちゃいますよ!

この美しい作品に、多くのXユーザーが反応。「こういうのほんっっっっっとにすごいと思う」「今まで見た中で一番美しいアンビグラムだ」「これはお見事」といったコメントとともに、3月11日時点で5.8万件の「いいね」が寄せられています!

画像を投稿したのは、Xユーザーの「オルドビス紀」(@ordodovician)さん。今回取材に応じてくださり、お話を伺うことができました。

普段からアンビグラムをメインに字を作り、投稿されているオルドビス紀さん。そもそもアンビグラムとは何なのかを尋ねてみると、「『見方を変えても読める文字』です。上下逆さまにしたり、鏡に映したり、白黒を反転させたりすると別の読み方ができます」との回答をいただきました。逆さまにする以外にも鏡映しや色の反転など、いろんなパターンがあるんですね!
例えば、オルドビス紀さんが提供してくださったこちらの作品。

画像提供:「オルドビス紀」(@ordodovician)さん
画像提供:「オルドビス紀」(@ordodovician)さん

同じ文字ですが、逆さまにすることで「かち」「まけ」の両方に読むことができるのだそうです。うわ~これはおもしろい!全く知らない世界だったのでワクワクします。

今回話題になっている『宝石の国』のアンビグラムについて、制作を思い立ったきっかけについて伺ったところ、「私は元々漫画『宝石の国』の一読者でして、単行本の表紙を眺めていたときにふと、『宝と国って形が似ているな』と気づいたのがきっかけです」と教えてくださいました。
ただこの出来事、数年前の話なのだそうで、「当時はまだアンビグラム制作の経験が少なかったこともあり、なかなか形が整わず結局お蔵入りしてしまいました」と一度は制作をあきらめかけたのだとか。しかし最近になって、『宝石の国』の漫画が完結し、再チャレンジ。「アンビグラム制作のノウハウも(ある程度)身についた今、改めて挑戦し出来上がったのが今回の作品です」と制作の経緯を語ってくださいました。一度お蔵入りした作品をこのタイミングで完成させるのはかなり努力のいることだったと思いますが、無事やり遂げたんですね。なんて素敵なエピソード!

画像提供:「オルドビス紀」(@ordodovician)さん

『宝石の国』のアンビグラムでこだわったポイントについて尋ねると、「『宝』と『国』には直線を用いて鉱物の無機質さを、そして『石』と『の』には曲線を用いて内に宿る心の機微を表現した点がこだわりです」との回答が。また苦労した点は、「シンプルな字形なので、その静けさを損なわないよう全体のバランスを整えるのがとにかく難しかったです」と教えてくださいました。改めて画像を見てみると、たしかに無機質さと優雅さが共存していて、静けさも感じられ、うっとりと眺めていたくなる完成度の高さ!文字がここまでの作品になるとは、驚きです。

オルドビス紀さんがアンビグラムを作るようになったのは、『天使と悪魔』という小説がきっかけなのだとか。アンビグラムが物語の重要なカギとなっているこちらの小説を読み、「試しに作った作品をX(当時はTwitter)に投稿したところ、思いの外反応が多かったのが嬉しくて継続的に制作するようになりました」と本腰を入れて制作を始めたのだそうです。そんなオルドビス紀さんが始めてXに投稿したアンビグラムがこちら。

画像提供:「オルドビス紀」(@ordodovician)さん

逆さにすると白文字で「平家物語」が浮かび上がる作品。デザインも凝っていて、最初の投稿とは思えないクオリティです!

画像提供:「オルドビス紀」(@ordodovician)さん
画像提供:「オルドビス紀」(@ordodovician)さん
画像提供:「オルドビス紀」(@ordodovician)さん

他にも、名作の物語にちなんだ3つの作品も見せてくださいました。みなさんは読めましたか?左から、「桃太郎」、「眠り姫」、「西遊記」です。どれもアンビグラムとしての完成度もさることながら、画像の雰囲気もとっても素敵!コレクションしたくなるような魅力がありますよね。

最後に、今回の投稿に対する反響について伺うと、「今回の作品は、アンビグラムと『宝石の国』という、私の2つの『好き』が交ざりあって生まれたものです。これほど多くの方々に逆さで読める面白さに驚いてもらえ、また原作の面影を感じ取ってもらえたのであれば、この上ない幸せです」とその大きな喜びを語ってくださいました。原作の良さとアンビグラムの楽しさ、その両方が伝わる素晴らしい作品でしたよ!

オルドビス紀さんは、他にもX上で様々なアンビグラムの作品を投稿されています。気になる方は、ぜひオルドビス紀さんのXアカウントをチェックしてみてくださいね。今後の活動も楽しみにしています!

取材協力者:オルドビス紀

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