新宿区立東山小学校で、2023年9月13日(水)に「身近な汚れから考えるSDGs」と題して、お掃除・お洗濯をすることで環境にどういった影響があるのかを考える授業が開催された。参加したのは42名の6年生。
■「水を節約していきたい」
第一部では、水に特化した内容で、水環境の専門家、グローバルウォーター・ジャパン代表の吉村和就氏が講師となって子どもたちに水の大切さを伝えた。
その中で、家では1日に大体230リットルの水が使われているということを知ると、子どもたちは「えええっ!!!」と驚いた様子。使ったあとの水、生活排水の汚水について、水はどうやって安全に飲める水になるのかという下水処理についても教わった。地球上の水は海水が97.5%、淡水が2.5%と限られた資源の中で、使った水や雨水をいかに活用に“自分たちが身の回りで水を節約するためにできること”を考えると、
「トイレを流すときは大じゃなくてなるべく小を流す」
「シャワーを浴びるときは水量を弱く設定して浴びるようにする」
など、自分ができる身近なことを発表した。
■汚れを落とす実験に子どもたちは驚き・興奮
次に行われた第二部では、自然にある成分で汚れを落とす「ナチュラルクリー二ング」の実践授業が行われた。クリンネスト1級の資格を持つお掃除のプロ 株式会社グラフィコ 販売促進部長の田邊謙司氏が、汚れが落ちる仕組みを教えた。
まずは、クエン酸で蛇口の汚れを落とすことに。
子どもたちは順番に役割を変えて、クエン酸の粉と水を混ぜて、その液体を蛇口に吹きかけ、キッチンぺーバーをかけて、最後にラップをかける。
「ほんとにキレイになる?」など興味津々の様子。
しばらくすると、ラップ・キッチンペーパーを剝がしてみると、なんとピカピカに!
「おおお!」と歓声が上がった。
次の実験は、服の汚れを過炭酸ナトリウムで落とす。
まず、体操服に醤油をかけるところから。用意されていたボトルの醤油を全部使いきるほど、子どもたちは思いっきり汚すことを楽しんでいた。
そのあとに過炭酸ナトリウムが成分であるオキシクリーンを、お湯で溶かした溶液を服全体にかける。すると、みるみる醤油が落ちていき、「うわ~!薄くなっている~」「すごい!落ちるの!?」と子どもたちは興奮気味。
■なぜ汚れが落ちたのか!?「それは反対だから」
田邊氏から汚れの性質について、酸性・アルカリ性にわけて考ると、その反対の性質を持つものを使えば、汚れはラクに落とせるということを教わった。
酸性の汚れ「服のシミ、コンロ周りの汚れなど」に対して、アルカリ性であるオキシクリーンを使用すると、中性化され汚れが落ちるという仕組み。
さらに自然にある成分(クエン酸や重曹、過炭酸ナトリウムなど)の洗剤を使うことで、水の汚れを抑えることができ、汚れや洗剤の特性を知ることで効果的に汚れを落とすことができると知った子どもたちからは
「無駄に水で洗うより、オキシクリーンとかを使って効果的に汚れを落としたら節水にもなる」と発言した。
まさに、掃除や洗濯、生活による家庭内環境汚染を、その家庭内で抑制できることができるということを教わった授業。水を安全に使うために、汚れに向き合い節水を心がけていきたい。