【花が知りたい!】に立ち寄っていただき、ありがとうございます。こちらの記事では、「街に咲く季節の花の名前を知っていたらいいのにな~」とふと思ったニュースネクスト編集部の1人が、写真とともに花の名前や特徴などなどを紹介していきます!今月は「ヒメツルソバ」です。
こちらが「ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)」です。タデ科のイヌタデ属。原産地は中国南部からヒマラヤです。
明治時代に渡来し、はじめは園芸用植物として栽培されていましたが1960年代以降は都市部を中心に分布を広げ、帰化しました。現在は本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄で見られます。
ヒメツルソバは、市街地や庭先、石垣などに生える多年草です。高温や乾燥に強いため、コンクリートの隙間などにも生えることがあります。茎は地をはって枝分かれし、マット状に広がります。茎や葉がみっしりと、力強く横に広がって生えている様子が確認することができます。
花をよく見てみると、小さな花が集まることで球状の1つの花のように見えていることが分かります。花の大きさは0.8~1.2cmと小さく、色は白や薄ピンク、淡い紫色など様々。丸くて小さな花は遠目で見ても、近くで見ても可愛く、癒されます。近づくと小さな蜂が蜜を吸っている様子も確認できました。
実はヒメツルソバの花期は5~8月。今年は猛暑の夏の後に、暖かい日が続いたことで開花時期がずれているのでしょうか。
花だけではなく葉にも特徴があります。形は卵型で先端がとがっていて、中心あたりには紫褐色で太いV字型の斑が入っています。写真の中心に写っている葉には目立った斑がありますが、ない場合もあるそうです。スタンプで押したような太さの斑はインパクトがありますね。
今年のヒメツルソバの開花時期はずれていますが、長い期間花が咲いている様子を見ることができる植物です。かなり気温が下がる日も増えてきたので、街中にも段々と咲いている花を見かけることが減ってきているかと思いますが、小さく可憐ながらも強いヒメツルソバは今もまだ見ることができます。コンクリートの隙間などに花が咲いているのを見つけた際には、ぜひ花の形や葉の模様に注目して観察してみてくださいね。
【花が知りたい!】vol.5は「ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)」でした。引き続き、不定期で街に咲く季節の花を紹介していきたいと思います!
参考にした文献
林 将之(監修).ネイチャー・プロ編集室(編著).葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑.初版.ナツメ社.2014
mizu
【花が知りたい!】前回はこちらから
vol.4:秋の香りといえば「キンモクセイ(金木犀)」