参加した声優イベントは3年間で80回近く。最推しは下野紘さん。声優・マンガ・アニメ・ゲーム・占い(スピリチュアル)、神社仏閣、クラフト系を好み、推し活のために働く、行動力おばけの独身アラフィフオタクのこもちこんぶです。
こんなに声を出して笑った朗読劇は初めてかもしれません。
9月27・28日に日本青年館で開催された朗読劇VoiceBox2025 『グレート・ギャツビー』。
出演者は、小野大輔さん/下野紘さん/羽多野渉さん/森久保祥太郎さん/岸尾だいすけさんという豪華な顔ぶれ。声優ファンなら名前だけで「面白そう!」となるメンバーです。しかもこの舞台の最大の特徴は、全3公演すべてで配役がシャッフルされること。同じ台本を使いながら、誰がどの役を演じるかは毎回異なり、当日のパンフレットで初めて配役が分かるという仕組みです。期待と緊張が入り混じる、なんともワクワクする演出です。

【爆笑の初日】
原作はシリアスな物語。正直「アドリブは少なめで、真面目に進むのでは」と思っていました。ところが開演5秒でその予想は覆されます。暗転から小野Dさんが「ひろくーん」と下野さんを下の名で呼びながら登場。そこから怒涛のアドリブが入り混じる朗読劇が幕を開けました。特に岸尾さんの自由奔放さときたら。クセの強い女子役に始まり、突然のラップ、若本規夫さんを召喚、人の台本を読む……。
数え切れないほどのネタを繰り出し、会場は爆笑の渦に。もちろん、まわりのメンバーの対応力も負けていません。それでも物語はしっかり進み、男女の感情と時代のしがらみを演じながら、シリアスに締めくくられる。その緩急の見事さに「これぞプロの声優!」と心を掴まれました。
【進化する3回目】
千秋楽となる3回目も観覧しました。配役が全てシャッフルされ、どうなるのか。
アドリブは相変わらず、何度も時を戻されることで、森久保さんが同じセリフを何度も言わされるということで、冒頭から客席は大爆笑。前公演で他のメンバーが演じた“キャラの残り香”を意識しながら、あえて越えてくる演技。
森久保さんはカーテンコールで「本来はまっさらなキャラクターに自分の色を付けるけれど、今回は前の人の色がうっすら残ってる上に自分の色を塗っていく感じ」と語っていましたが、まさにその通り。それが舞台に厚みを加え、より複雑に面白く進化したと感じました。
【声優の真骨頂】
また今回は5人で合計30役近くを演じ分けていました。パーティの案内人、愛人役、警官役……性別も年齢も職業も異なる役柄を次々に演じ分け、違和感なく物語に引き込んでいく。その技量と表現力は圧巻です。
「グレート・ギャツビー」という少し時代を感じる物語が、台本と演出の工夫、そして声優たちの力量で、今の観客を爆笑させ、最後に締めるところはしっかり締め、感動を残す。
本人たちが楽しみながら演じていることが伝わり、その熱が客席にも直に届く──まさに“生”の朗読劇だからこそ味わえる魅力です。
【朗読劇を体験してほしい】
今や声優はアニメの枠を超えて多方面で活躍していますが、朗読劇はその真骨頂を堪能できる場だと改めて実感しました。声だけで世界を創り上げる迫力、アドリブを織り交ぜるライブ感、そしてシリアスと笑いを自在に行き来する表現力。もし好きな声優さんが朗読劇に出演する機会があるなら、ぜひ一度足を運んでほしい。
画面越しでは決して味わえない“声の力”を全身で体感できるはずです。
「VoiceBox2025」出演者のおもな代表作はこちら
■小野大輔さん 『黒執事』セバスチャン・ミカエリス役、『ジョジョの奇妙な冒険』空条承太郎役、『涼宮ハルヒの憂鬱』古泉一樹役、『進撃の巨人』エルヴィン・スミス役、『おそ松さん』松野十四松役、『斉木楠雄のΨ難』燃堂力役など
■下野紘さん 『うたの☆プリンスさまっ♪』来栖翔役、『進撃の巨人』コニー・スプリンガー役、『鬼滅の刃』我妻善逸役など
■羽多野渉さん 『アイドリッシュセブン』八乙女楽役、『さんかく窓の外側は夜』冷川理人役、『A3!』卯木千景役、『僕のヒーローアカデミア』心操人使役など
■森久保祥太郎さん 『メジャー』茂野吾郎役、『NARUTO -ナルト- 疾風伝』奈良シカマル役、『弱虫ペダル』巻島裕介役など
■岸尾だいすけさん 『ゾイド -ZOIDS-』バン・フライハイト役、『ドラゴンボール改』ジース役、『ファイナルファンタジーXIII-2』ノエル・クライス役、『レミーのおいしいレストラン』レミー役