抗えない過酷な宿命を背負ったひとりの女性・川辺市子の切なくも壮絶な人生を描いた物語『市子』がついに完成!11月6日には都内映画館で完成披露試写会が実施され、主演の杉咲花、若葉竜也、森永悠希、中村ゆり、そして戸田彬弘監督が出席した。
かつて朝ドラ『おちょやん』でコンビを組んだ杉咲と若葉。今回の若葉の役どころは市子(杉咲)と一緒に暮らしていた恋人だが「僕は杉咲さんに朝ドラでもプロポーズをしたのですが、いつも上手くいかないなと思いました。なかなか厳しいですね」と、再び破局したことを明かしていた。
撮影が行われたのは昨年の真夏。夏にこだわったという戸田監督だが「地獄のような夏だった」と振り返ると、杉咲も「本当に暑かった」と苦笑い。そんな杉咲は、本物の汗を大切にすると言った若葉の姿を振り返りながら「さすがだなと、自分も見習いたいなと思って、ある撮影の時に若葉さんのことを見たら…思い切り氷嚢を当てていて。メッチャ涼んでいるじゃん!と思った」と暴露。これに若葉が「体調を崩すくらい暑かった。天秤にかけた時に、健康的に撮影できる方を選びました」と笑いながら告白すると、杉咲は「仰る通りです。大量管理が大事なので」と微笑んでいた。
12月8日の全国公開まで約1か月。満席状態で迎えた完成披露試写会に杉咲は「感慨深いです。今、この景色を目に焼き付けておきたい」としみじみ。3年間、市子と一緒に暮らしていた恋人・長谷川義則役の若葉は「自分の作品の中でも多くの人に届けたいと思える作品」と胸を張った。
謎めいた過去を抱く主人公・市子を演じた杉咲。「味わったことのないような経験をさせていただきました。演じ手としての、こう表現しなければという欲が剥がれ落ちて、目の前で起こっていることに対して反応してしまう時間。グワングワン心が揺さぶられるような時間を過ごせたのは初めての体験。それだけ引力のある作品で、素晴らしい経験をさせていただきました」と新境地を自負していた。
一方、森永は「杉咲さんは関西弁が上手すぎる。セリフのみならず日常生活の言葉まで関西弁にできる人はなかなかいない。出身地を聞いたら関西じゃないと仰っていて、余計にビックリ。杉咲さんに会うたびに、そのことばかり言っています」と杉咲のナチュラルな関西弁に感動。これに杉咲は「関西弁は朝ドラで話す機会があって。1年くらいかけて方言指導の方が教えてくださったお陰です。ネイティブな方にそのように言っていただけて嬉しい」と大阪出身者に褒められて喜色満面だった。